俺と結婚しろよ!
「あのさ、優弥」
賢ちゃんは相変わらずニヤニヤ笑いながら艶を見た。
艶の本名は優弥なんだ。
そして、賢ちゃんは艶が怖くないのだろうか。
あの怒りのオーラ。
あたしは、もらしそうなほど怖い!
「優弥ってデリカシーないな。
だからモテねぇんだよ」
賢ちゃんは笑いながら缶ビールを開ける。
プシュッと心地よい音が鳴り響く。
「俺、咲良とは何もねぇし」
「今日会って、ナンパしたんだろ」
「ちげーよ」
賢ちゃんは口を尖らせて言った。