俺と結婚しろよ!





「本気と言うと?」




森井さんが口元を歪めて言う。

そして、



「咲良さんと、結婚する予定です」



賢ちゃんは、またまたそんなことを、それも超真剣な顔で言う。




「ちょっと、賢ちゃん!!」




あたしは思わず立ち上がって、賢ちゃんを睨む。



「こんな時まで冗談やめてよ!」



「冗談と思ってんのかよ」




賢ちゃんは座ったまま、あたしを見てにやりと笑う。

いつもの賢ちゃんだ。

今日はカッコよくしなくてもいいの?





「咲良!いつも言ってんだろ?

早く結婚するぞって。

いつも聞き流しやがって!」



「だって嘘っぽいもん。

てか、賢ちゃんのこと百パーセント信用してる訳じゃないし」



「信用しなくてもいい!

長い結婚生活の中で思い知らせてやる。

いいか、俺のスティックはだな……」



「あぁ、もうやめてそのネタ!!!」




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