俺と結婚しろよ!
「俺、漫画を読むために、アンタを呼んだわけじゃねぇんだけど」
「そうだそうだ」
賢ちゃんは苦笑いしながら、ようやく漫画を閉じた。
ふざけた奴だ。
「それにしても、俺に用があるのお前か。
俺の可愛い咲良のためかと思ったら、野郎のためかよ」
賢ちゃんはそんなことを言いながらも、ばさっと楽譜を取り上げる。
ちゃんと俺の相談に乗ってくれる気だ。
よく考えたら、すげぇよな。
俺、玄に教えてもらってる。
だけど素直になれなくて。
「気に入らねぇなら帰れ」
教えてもらう立場なのに、そんなことを吐く。
すると、
「帰るはずねぇよ。
だって、咲良からの頼みだし」
賢ちゃんは言った。