俺と結婚しろよ!
ー咲良sideー
賢ちゃんの馬鹿。
せっかく呼んだのに、あたしにはさほど話もせず。
早々に悠真とスタジオに消えてしまった。
せっかく会えたのに。
もう会えないかもしれないのに。
賢ちゃんは寂しくないの?
「賢ちゃんって案外ドライだよなぁ」
呟いたあたしに、
「咲良に気を使ってるんじゃない?」
大輝は言った。
そんな大輝に、
「気を使ってる?」
思わず聞き返した。
残念ながらあたしには、大輝の言いたいことが分からない。
「仮にも今、咲良は賢ちゃんと一緒にいちゃ駄目じゃん。
賢ちゃんはそのつもりでも、咲良は賢ちゃんと真剣に付き合えないんでしょ?」