俺と結婚しろよ!
「まあまあ、カリカリすんなよ」
賢ちゃんはそう言いつつも、漫画から目を離さない。
そして、ジュースを飲みながら吹き出しそうになっている。
悠真も大輝もいるのに、やめてよそれ。
キモいよ。
それに、何くつろいでるの?
カッコいい玄はどこにいったの!?
「優弥に似てきたな」
「本当?優弥さん大好き♡」
わざと言ってやると、
「はぁ?ふざけんな」
漫画を放り投げてあたしを見る賢ちゃん。
久しぶりに視線がぶつかって、ドキドキしてしまう。
今すぐにでも賢ちゃんに駆け寄って、抱きしめて欲しい。
だけど、当の賢ちゃんはドキドキもしていないのかもしれない。
「ま、仕方ないねぇか。
優弥キモカッコいいもんな」
ぽつりと言う。
「じゃ、俺帰るわ」
そう言って立ち上がる賢ちゃんに、あたしは言っていた。