俺と結婚しろよ!
歌詞に合わず、激しめのロック調のナンバー。
大輝のしっかりとしたベースと……
悠真の軽快なドラム。
……あれ?
悠真、こんなんだった?
シンプルなのに、所々キラリと光るセンス。
耳に残って離れない。
これ、賢ちゃんのせいなの?
もしかして、賢ちゃんがやったの?
やっぱり、賢ちゃんは天才。
歌い終わると、充実感が襲ってきた。
賢ちゃんがいるのに。
あたしたちの演奏なんて、見せれたもんじゃないのに。
なのに、
「やべぇ!
一位いけるんじゃね?」
賢ちゃんは顔をくしゃっとして、子供みたいに手を叩いて喜ぶ。
一位とか言いすぎだよ、とんでもない。
でも……
すごく嬉しかった。
賢ちゃんの顔、嘘ついてはいなかったから。