俺と結婚しろよ!
「ありがとう、賢ちゃん」
本当に、ありがとう!
あたしを好きになってくれて、あたしの我儘に付き合ってくれて。
それでいて、悠真の指導もしてくれた。
お礼を言っても言い切れない。
「じゃ、俺は帰るからな」
鞄を持って立ち上がる賢ちゃんに、
「うん!」
大きく頷く。
これでまた、しばらく会えなくなる。
すごく切ないよ。
でも、今日で少し充電出来た。
賢ちゃんは立ったまま、再び言う。
「マジで帰るからな」
「うん」
「マジでマジで帰るからな!!」
「うん?」
賢ちゃんは帰るって言いつつも、突っ立って動かなくて。
あたしは顔をしかめて、意味不明な賢ちゃんを見ていた。