俺と結婚しろよ!
「それと……ドラムの音を知り尽くしている。
どの部分を叩いたら、どんな音が出るのか。
どの力加減で叩けば、どんな持続力が得られるか。
全て計算して、最高の音色で叩いている。
……すげぇよ、マジすげぇ。
今日のライブだって、鳥肌ものだった」
そうなんだ。
やっぱり賢ちゃん、凄い人なんだ。
だけど……
「セイウチ」
そう言って、スティックを鼻に突っ込んだ賢ちゃんが忘れられない。
凄いんだけど、あたしの知ってるお調子者でお馬鹿な賢ちゃんだった。