正義の味方に愛された魔女2
1 犯人は現場に戻る
ヒマラヤ水晶クラスターとラリマーペンダントが盗まれてから一週間が経った。


『ヒマちゃんラリちゃん、どこ行ったぁ~』
の、あの事件。

特にラリマーペンダントはピアスとお揃いの、自作のお気に入り商品だったので、
ショーケースにぽっかり空いたスペースが目につくたび悲しくなる。

盗難…万引き…。
小売店には付き物なのかもしれないけど、
うちではここ数年無かったこと。
信じられない思いとショックで、
『ヒマラリ・ロス』になっていた……。


「沙耶ちゃん……。
ヒマちゃん達が居た所に、アメのグラデーションネックレス作って置こうと思うんだけど、どうかなぁ。

あの子達、おデブだったからさ、
このまま帰ってこなかったらスッカスカでさびしいでしょ?」


「犯人捕まらないですかねぇ…。
アメジストでグラデーションですか?
綺麗でしょうね~!良いかも!」


「誘拐犯に大切にされてればいいなぁ。
ラリちゃん傷付き易い子だからさ。」


「誘拐犯って……あえて言わせてもらいますけど窃盗犯です。
盗んだものを大切にするかなぁ」


「うぅっ……犯人せめて優しい人であって欲しいわぁ……うぇ~ん」


「はいはい、そうですね。
お昼、行ってきていいですか?」


「え?………あぁ、はいごゆっくり」

ウソ泣きしてたら沙耶ちゃんに呆れられてしまった。






< 1 / 50 >

この作品をシェア

pagetop