正義の味方に愛された魔女2
アメジストのビーズを並べてデザインを考えていると、


カランカラ~ン。

来客を知らせるドアベルが鳴った。
私は初めて見る顔だった。


「いらっしゃいませ。
どうぞご自由にご覧くださいね」


なんか、おっかなビックリ入っていらっしゃいましたが…。
そんな、かしこまったお店じゃありませんよ?

40代専業主婦……ってところ?

恐る恐る……の割にはあまりキョロキョロしないで進むのね……。

そちらは天然石のコーナーですよー。
お好きですかぁ?私も大好きです……なんてね。


あら、お目が高い。
今、話題沸騰中の、あのラリちゃんとお揃いで作ったピアスを
ガラス越しに見つめていらっしゃるではありませんか!


「それ………綺麗なラリマーでしょう?
優しい色合いの石ですよね。
お揃いでペンダントも作ったんですけど、あいにく今は在庫がなくて。

お出ししますね?少々お待ちください。
当ててご覧になりますか?」

レジから鍵と鏡を持ってきて
ピアスを出してその人の耳のあたりに当ててみた。

「失礼しますね……いかがでしょう?
お耳に穴が無いですね、イヤリングに作り替えることもできますから」
頬に指がちょっと当たっちゃった。


《あっ!この人!!……どうしよう、どうしよう……》


「これ、貴女が作ったの?」

「そ、そうなんです。天然石のアクセサリーはデザインから……。
だから全部、一点モノなんですよ。

お顔が明るく見えますね、癒し系のラリマー効果でしょうか。
石の意味とか効果とか、信じなければただのアクセサリーでいいんですけどね…」


《ふぅん…この人が作ったんだ…。
やっぱり「これも」欲しいっ……!

この前はクラスターが大きくて重かった割に、やり易かったのに…。
前いた若いコじゃないから、ヤバそう。
パートの主婦かと思ったけど、違うっぽい。

出直すか……》





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