甘いささやきは社長室で
それから食事を終え、花音と別れた僕はひとりホテルの前の通りに立っていた。
『今日はありがとうございました。……これからは、取引先のひとりとして、お付き合いしてくださいね』
涙を拭ってそう笑って言った花音は、最後まで優しい人だと思った。
……あとは、どうマユちゃんに伝えるか。
普通に言っても聞き入れてくれなさそうだもんなぁ。
そんなことを考えながら、なにげなくスーツの内ポケットからスマートフォンを取り出すと、そこには『新着メール1通』の文字が表示されていた。
「メール……あれ、三木からだ」
もう一時間ほど前に来ていたメール。それは三木からのもの。
「なになに……、!!?」
が、その内容に思わず目を見開く。
そして、こうしてはいられないと、急いでその場を駆け出した。