無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

 今始まった事じゃない。


『鈴木くん、うちに娘がいてね

 どうだろう、うちの婿にならないかい?』



 相手が御曹司でも跡取りとなれば大事な娘を手放さなければならない。

 だが、鈴木ならどうだろう。

 一を聞いて百を知るとも噂され、現社長に西園寺の宝だと言わしめたこの青年なら?


 実家は田舎の農家で家業は姉が婿をとって継いでいるという。

 ならば丁度いい、
 この稀代の天才の血を我が家系に取り込もう。

 そう考える父親は後を絶たないらしい。



 それについてどう思っているのか、

 当の鈴木はまともに答えたことがなく、ただ軽く受け流すばかりだ。





「上司が上司ですからね、

 将を射んと欲せばなんとやら…ということでしょう」
< 103 / 316 >

この作品をシェア

pagetop