無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

『……』

『悔しくて、情けなくて……私――』



 記憶を彷徨う鈴木を現実に引き戻すように、洸がコンコンと窓ガラスを軽く叩いた。



「ここだよ」


 リムジンがとまり、ゆっくりと門戸が開きはじめた。



 開ききった扉の脇で、どこかで見覚えのある警備員が姿勢よく頭をさげる。


 再び走り始めたリムジンがゆるゆるとその横を通り抜けた。
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