無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
 ユキをそっと下ろした崎田は

「箒を伸ばしているあたりから見ていたんですよ

 危なっかしいなぁ と思って
 案の定……」


「すいません……」

 今後こういう事があったら自分でやろうとせずに、必ず呼ぶようにと、

くどくどと説教をしてから持ち場に戻った。



――あんなに軽々と……


 体重だけじゃない、落ちてくるものを受け止めるのだから、

相当の力が必要だろうに崎田は軽々とユキを受け止めた。


 力強い腕の感触が背中と足に残る。


 説教も今では慣れっこになってしまったが、考えてみればいつだってそうだ。

 崎田はいつもユキを心配してくれる……。

 そんな崎田に向かって、ユキは何でも言える。


 大石とはそこが違っていた。



 大石は知れば知るほど素敵な人であるし、

何ひとつ欠点を見いだせない云わば完璧な男性だ。

 むしろ欠点がないことが欠点のような人である。
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