無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
 そんなことはない。

 陽菜乃には一部しか言わなかった大石の告白


 ”家事が得意で、寂しがり屋の妻が家で待っている

  可愛いじゃないですか”


 そう言われた時は、たとえ一瞬であれ胸の奥がキュッとしたのだから。



「キスしたいって思う? 大石さんと」


「えっ?

 なに言いだすかなぁ」



「そういうことだと思うのよー、恋って」



―― なるほど

 そう言われてみると、何故だか大石にはセクシャルなものを感じたことがないかもしれない、と思いながらユキは考え込んだ。


 キスはおろか、手を繋いでみたい気持ちも起きない……。
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