無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

『宙さんはご存じないでしょうけれど

 そんな男性ばかりじゃないんですよ

 私、最近清廉潔白な紳士に助けて頂いたんです


 その方のお蔭で、男性を信じてみようと思えるようになりました  アネモネ』



 それは、

“信用できる男なんてこの世にいませんよ” 

そう書いたことに対する、彼女からの返事だ。



 釘を刺したつもりが、その釘はどこにも刺さらずあっけなく返された。


 しかもその理由が自分がした事であることに、鈴木はただ茫然とするばかりである。


 フゥ……と息を吐くと、

気を取り直してパタッとスマートフォンを閉じた鈴木は、

腕時計の針が三時を指していることを確認し、スッと席を立った。



 先ほどから常務に呼ばれている。

用件はわかっているが、これ以上引き延ばしてもいいことは一つもない。
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