無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
コンコン
「鈴木です」
「はい」
西園寺常務は、これみよがしにソファーに横になっている。
チラリと鈴木を見たが、
「ねー、帰ってもいい?」と翳している雑誌に視線を戻した。
「珈琲を淹れましょう」
質問には答えずに、鈴木はまっすぐ珈琲メーカーの前に立った。
と同時に常務の机を振り返り、
未処理の山が、処理済のケースに移動していることを確認した。
西園寺常務はいつもの倍のスピードで仕事を済ませたらしい。
頼んでいた書類のチェックにはもう一時間ほど処理にかかるだろうとみていた鈴木の予想は、
あっさりと覆されていた。