無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

 ユキはあの日の二日後、

フロントの女性たちへのお礼の菓子折りを持ってパントムを訪ねていた。


 その時、友人S宛てにハンカチとメモを預けたのだ。


 そして、

『もし、その方がいらっしゃったらお渡しして頂けますか?

 お見えにならなければ
 適当な時期に処分してくださって結構です』


 そう言付けていた。




「よかったですお渡しすることができて」

 フロントの女性は我が事のように頬を染めて喜んだ。



 鈴木は礼を言ってフロントを離れると、

そのままバー『Bijou』に行った。



 あの日と同じ席に座り、

あの日と同じカクテルを頼み、

彼女が自分宛てに預けたという袋の中を見ると、

綺麗にプレスされたハンカチと包みが入っていた。
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