無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

 蘭々の母は極度の買い物依存症で、蘭々と父はそのことでずっと苦しんできた。

 あればあっただけ、ローンを勝手に組んででも母はお金を使ってしまう。

 大企業の重役である父はなんとか母を見捨てずにはいたが、家庭は崩壊寸前であった。

 華やかな芸能界にはまったく興味もなかった蘭々が、いつでも自立できるように学園生の頃からモデルの道を歩んでいるのも母の事が原因だった。

 鈴木は生徒会長だった時から、ずっと蘭々の相談にのってきたといういきさつがある。



「ありがとう、母もようやく落ち着いたわ……

 仁が紹介してくれた二人の家政婦さんが、とてもいい人で

 毎日が楽しそうなの」


 蘭々の両親は、マンションを出て戸建ての家に住んでいるが、

 今は親友のひとりである氷室仁が探してくれた家政婦二人が、母の話し相手になり外出時は一緒にいてくれるので安心できるようになっていた。


「そうですか、それはよかったです」


 蘭々は花が咲いたようにニッコリと微笑んだ。
< 198 / 316 >

この作品をシェア

pagetop