無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

  ***



 ユキが宙が最後に送ったメールに気づいたのは、庭の掃除が終わってホッと一息ついてからだった。


 昨日、断りの返事を送るだけ送って閉じたまま、その後のメールは読んでいなかったのだ。



 そして今、開いたメールにユキは驚きを隠せずにいた。


『―― 十三日の土曜日の夜八時過ぎ

 ホテルパントムのBijouというバーで一人で飲んでいます

 気が変わったらいらしてください  宙』



――偶然だろうか?



 数えきれないほどある店の中で、パントムのBijouを選んだのは本当に偶然なのだろうか?



 ドキドキとざわつく胸を抱えたまま、そんなことを考えながらシェフが用意をしておいてくれた材料で、ユキは崎田のためのサンドイッチを作っていた。
< 204 / 316 >

この作品をシェア

pagetop