無垢なメイドはクールな彼に溺愛される


「そうですか

 ありがとうございました

 ――で、……その方は何か?」



「ニッコリ微笑んで

 ありがとうございますっておっしゃいました」




 ユキは複雑な思いを抱えたままパントムを出た。


―― Bijou……

   夕べ?  これも偶然なの?



 ゴクリと息を飲んでユキは上層階を見上げたが

……夕べ、スマートフォンを気にかけている若い男性の独り客はいましたか?

 Bijouまで行ってそんなふうに確認する勇気はなかった。
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