無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

 鈴木はゴクリと息を呑んだ。

「洸たちもう来ているんでしょう?」

 蘭々はサングラスを少しずらして、不思議そうに首をかしげた。



 そういえば、カフェで本を読んでいる時に、西園寺洸からのメールを受け取ったことを思い出した。

『これからみんなで飲むから君も来ないか』と。

 場所は書いていなかったし、断ってしまったのでそれきりだったが、
 蘭々がパントムに宿泊していると知っていながら、なぜピンと来なかったのか? 

 自分のふがいなさに呆れるばかりだが、今はそれどころではない。


「蘭々、ごめん

 俺はものすごく急いでいて、洸や仁に見つかりたくはないんだ」


「了解 大丈夫よ、この前聞いた話も洸には内緒にしておくから」

 クスクスと笑った蘭々は、生徒会長の口から“俺”と聞いたのは初めてだったし、

 そんなふうに切羽詰まった彼を見たのも初めてで、事情はまったくわからなかったが

「がんばって」と応援せずにはいられなかった。



「ありがとう蘭々」
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