無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

 静かに流れるジャズ、


 横に広がるカウンターの奥……

   白いセーターを着た若い男性……。




 彼は一瞬入口を見たが客が男性だったためか、すぐに視線を手元のスマートフォンに落とした。




 ゴクリと息を呑んだユキは、意を決してドアノブに手をかけた。



―― 宙 さん ……




 ドアベルに反応して顔をあげた鈴木は、ユキにニッコリと微笑みかけた。


 !

 その瞬間、ユキの心臓と、宙以外の全ての時間が止まったような気がした……。




 頭がジーンとしびれ、

 フワフワとまるで雲の上を歩いているかのようにおぼつかない足を前に進めながら……


 ユキは思った。




 恋は、するものじゃない


  落ちるものなんだ……
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