無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

 もう一軒どうですか? と宙に誘われて、

 時計を見ると十時だった。


 本来ならここで帰るべきだと理性が訴えるが、

 ユキの心はまだまだ帰りたくないという想いが強すぎて断れない。




「……あの、母に電話をかけてきます」

「はい」


 ならば、母に電話をしてダメよと諭されればあきらめもつくだろうと電話を掛けることにした。

 そうさせたのは、振り絞ったユキの最後の理性だ。



「もしもし 私よ

 ねぇハルさん もう少し遅くなっても……いいかな」


 今日は滅多に会えない友人と会うと言ってある。

 もちろん相手が初めて会う男性とは言っていないが……



 どういうことだか母ハルは


「それなら泊まって来なさい」 と、意外なことを言った。



「え?」
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