無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

 場所を変えてホテルファヴォリのバーに行き、

そこからの細かい事はよく覚えていない。


 クスクス笑いながら、


 『だから君は心配なんだ』

 と、キスをする宙が、

  自分の全てに思えた。



 訳もなく涙がこぼれて、
 
  宙がその涙を拭ってくれる度に、どうしようもなく好きが溢れて……


 ただ腕を伸ばし、

 間接照明が浮かび上がらせる宙の微笑に、


   夢中になってしがみついていた……。




 どこからが夢だったのだろう


  幸せでドキドキと時めいて、甘く蕩けた夜が終わりを告げた時



 シーツ越しの薄明かりの中、目を覚ましたユキの瞳に最初に映ったのは

 宙の胸だった。
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