無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
宙からの書き込みは三日後にあった。
『なにやら意味深ですね(笑)
そういえば、
恋に悩むうら若き女性でしたね アネモネさんは 宙』
書いた本人も忘れていたが、そういえば……と、ユキは思い出した。
花菱百貨店の大石に告白されて、
大石の名前が宙だと知った時だ。
『夢幻泡影』の宙は大石なのか? と疑って、
鎌をかけるつもりでメールにそんなことを書いたのだった。
今では大石宙が『夢幻泡影』の宙だとは思っていないが……それでも
ユキの勝手な想像では、
宙は大石宙に負けないくらい素敵な人に違いなかった。
見た目はどうあれ、少なくとも品の良さが感じられるようなスマートな男性であるはずだと。
それはともかく、
自分ですら忘れていた事を、宙が覚えていてくれた。
それだけで、否応なくユキの心は弾んでしまうのだった。