無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
  ***




 スマートフォンのケースをパタリと閉じた鈴木は
チラリと腕時計を見て、まもなく午後三時であることを確認すると、

 パソコンの電源を落とし、デスクの上の資料を整えて席を立った。


 コンコン


「鈴木です」

「はい」


 扉の前に立つ鈴木の後ろには、廊下を挟んで秘書室がある。


 大きく開け放たれている秘書室からは、電話の音や忙しく走り回る足音などが響いてくるが、


 カチャ


 鈴木がドアを閉めると、


 全ての音は、扉の向こうに押しやられた。
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