無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
ブラインドから縦に差しこんでくる長い陽射しが、
コーヒーメーカーの前に立つ西園寺洸の背中を照らし
その奥にある一鉢の観葉植物は、
無機質な部屋に生気を与えながら
管理された場所でなければ生きていけない美しさを、存分に味わっている。
西園寺常務の執務室。
ここは空気や光までが、特別なもののように存在していた。
今から二年前――
アメリカから帰国した西園寺洸は、海外事業部の一役員にすぎず、
個室は持たずに、広いフロアの一角にあるガラス張りの部屋に席を持った。