瑠璃色の姫君
「バベルは、頭が堅いな」
「そんなことないと思うけど」
「いーや、堅い」
えぇ……断言されちゃった。
「見てな!」
「うん」
「バベルはレティシアが好きで早く会いたい」
くるりとレティシアの絵の周りが丸を描く。
「それから、フリュイくんとの旅は終わらせたくない」
次はフリュイの絵の周りに円が出来る。
「だったら、フリュイくんを連れてレティシアに会いに行けばいい」
レティシアとフリュイどちらもを含めて大きな丸が描かれた。
……なるほど!!
「ありがとうオーナー!」
「いーえー。あ、フリュイくんにはそれでいいかちゃんと確認しなよ?」
「うん、行ってくる!」
僕は立ち上がってフリュイの元へ小走りした。
フリュイは、ロゼアとジルと一緒にお茶会をやり直していた。
「フリュイ!」
「んー?」
カタンと置かれたカップの中身はミルクティーではなくなっている。
それは、多分だけどココア。
カフェ・レヴで頼もうかと言いかけてミルクティーに変えていたのを思い出す。
あの時、本当に頼みたかったのはココアだったのかもしれない。