瑠璃色の姫君




考えたら、気になって仕方なくなった。


秘密主義だとか関係ない。


謎は徹底的に追及すべし。



「フリュイ、起きて。質問ある」



彼女を“フリュイ”と呼んで揺り起こしてみる。


目を覚ましたフリュイは、その目をパチクリさせて首を伸ばして上を仰いだ。



「うーん、あり? 青くない……」


「そりゃあね、ここ室内だから」



天井に、空の青さはない。


上品な柄のついた天井があるだけだ。


旅をしていた時、青空の下で適当に寝たことがあった。


だから、上が青くないことが不思議に思ったのだろう。



「……バベル。なんでフリュイに抱きついてるの。変態なの?」


「いやいや、君から僕に抱きついてきたんだよ。断じて僕は変態じゃない」


「は?」


「え?」



状況判断を始めたフリュイが真っ先に突っ込んだのは今の姿勢である。


レティシアが僕に毎朝恒例特典の“寝ぼけて抱きついてくる”技を発動し、それを僕が包み込んでいる、というこの姿勢。



「何でもいいから退いてくれない?」



最近は丸くなったレティシアだけど、フリュイモードだと一見ニコニコしているが塩多めな塩対応である。


多分だけど、レティシアの素はほぼフリュイモードだ。


ほら、レティシアはオリーヴェンの姫君だったり王女だったりそういうのを背負って生きてきたわけである。



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