瑠璃色の姫君




2人に背を向けて、歩き出した僕とフリュイ。



「さーて、旅の再開ですな」


「ご迷惑をおかけしました」


「ほんとだよ!」



熱が出てしまったことに責任を感じているらしいフリュイに、ちょっといたずらしてやろうと、ふいっと顔を逸らす。


反応のないフリュイをちらりと見れば、しゅんと下を向いていて。


嘘だろ。


絶対、ごめんってば! とか言うと思ったのに。



「な、なーんてね。フリュイ、気にすることないからね」



そんなに責任を感じることないのに。


あんなに時間が時間がって騒ぎ立てたくせに、そんな風に思う自分に少し嫌気がさすけれど。


フリュイの肩にポンと手を置く。



「顔上げてよ」



僕の声を聞いてゆるゆると上げられたフリュイの顔は。


……あれ。


ニヤニヤとした笑みを貼り付けた顔。



「……なぁんちゃってぇ〜!」



……チッ。


責任なんて感じちゃいないじゃないか。


くううう、騙された。



「さぁさ、行きましょうやー」



うひひ、と笑って僕の服の裾を引っ張るフリュイ。


まったくもう。


フリュイらしくて、ちょっとムカつく。




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