チェロ弾きの上司。

終わった後、
早瀬先生と、三神さんと、真木さんが仲良さそうに話してる。

美男美女3人組。
絵になるなぁ。

あ。笑った。
楽しそう。



あれ。何これ。
胃が重たい。
体調戻ったはずなんだけどな。


何であんなことしたんですか、真木さん。

あの後、あたしが泣き止むと、何事もなかったかのように、真木さんは帰っていき。
仕事でも今まで通りで。

忘れた方がいいのかな。

だって、あの真木さんだもん。
あたしとなんか、どうこうなるわけない。

忘れるべきだとわかってるのに、どこかで、大切に覚えておきたいと思ってる自分もいて。

……何だろう、これ。



はぁ。考えるの、やめよ。

アカリンはどこだろ……?

見回すと、
おわっ!
すぐそこにいたし!


「びっくりしたよー。声かけてよー」

アカリンはちょっと恥ずかしそうに笑った。

「モッチーに見とれてた」

「はっ? 視力悪くなったんじゃない?」

「失礼だなー、ほめてるのに」








< 129 / 230 >

この作品をシェア

pagetop