チェロ弾きの上司。
すると、あたしの脇の下に手が入れられ、身体が持ち上げられ、くるりと回され、あぐらをかいた真木さんのひざの上に下ろされた。

慌てて下を向いた顔を手のひらで挟まれ、無理矢理上を向かされる。

近いっ!
綺麗なお顔が至近距離!

あたしの心臓がかわいそうになってくるよ!

「もう一回、言えよ」

……この人は、何でこんな時に、そんな、はにかんだような、甘えたような表情をするんだ。

そんな表情を見たら……。

言わざるを得ないです……。


ーーー「好きです」


すると、真木さんが笑った。

うわぁ。
あの、花が咲いたような、ふわっとした微笑み。

あたしの言葉で、こんなふうに嬉しそうに笑ってくれるなんて。

……あたしも、うれしい。


あー、もー、認めます。

好きです。

その笑顔、独り占めしたいです。




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