チェロ弾きの上司。
「まー偶然にもさ、あたしも付き合うことになったから、報告」
いつもの牛丼屋で恋バナする日が来ようとは。
「もしかして?」
「そ。クラの麻生くん」
クラリネット、略してクラ。
「うっかりスーツの営業かけたのが間違いだったわー。草食系男子かと思いきや逆に捕まえられるとは」
赤くなりながら牛丼を頬張るアカリン。
あら、かわいい。
「ま、あたしのことはいいとして。やっとモッチーと真木さんがくっついて、あたしと三神さんはやれやれ、だわよ」
「へっ?」
「もー、2人とも鈍感すぎ。カルテット初回の練習時から、三神さんとあたしはあんた達がいつくっつくのか賭け……じゃない、予想し合ってたんだよ?」
……全然気づかなかった……!
「あたしは真木さん結構ぐいぐいいくタイプだと思ってたのにさ、三神さんは、あいつは見かけによらず鈍感でヘタレで慎重なとこがあるとか……あ、友達の彼氏に対してごめん、ま、そんなこと言ってて、結局は三神さんの勝ち……じゃない、予想通りだったなぁ。
三神さん、人の恋愛に対しては結構短気なのね。じれったいとか言って陰ながらサポートしまくってたよ。後でお礼言っときな?」
もしや、あれとかあれとか……?
思い当たる節が……。
うわぁ、恥ずかしい……。