チェロ弾きの上司。

「まー偶然にもさ、あたしも付き合うことになったから、報告」

いつもの牛丼屋で恋バナする日が来ようとは。

「もしかして?」

「そ。クラの麻生くん」

クラリネット、略してクラ。

「うっかりスーツの営業かけたのが間違いだったわー。草食系男子かと思いきや逆に捕まえられるとは」

赤くなりながら牛丼を頬張るアカリン。
あら、かわいい。

「ま、あたしのことはいいとして。やっとモッチーと真木さんがくっついて、あたしと三神さんはやれやれ、だわよ」

「へっ?」

「もー、2人とも鈍感すぎ。カルテット初回の練習時から、三神さんとあたしはあんた達がいつくっつくのか賭け……じゃない、予想し合ってたんだよ?」

……全然気づかなかった……!

「あたしは真木さん結構ぐいぐいいくタイプだと思ってたのにさ、三神さんは、あいつは見かけによらず鈍感でヘタレで慎重なとこがあるとか……あ、友達の彼氏に対してごめん、ま、そんなこと言ってて、結局は三神さんの勝ち……じゃない、予想通りだったなぁ。
三神さん、人の恋愛に対しては結構短気なのね。じれったいとか言って陰ながらサポートしまくってたよ。後でお礼言っときな?」

もしや、あれとかあれとか……?
思い当たる節が……。
うわぁ、恥ずかしい……。



< 163 / 230 >

この作品をシェア

pagetop