チェロ弾きの上司。

あたしは重い足取りで席へと戻る。

「佐倉さん、ちょっとよろしいですか」

真木さんが佐倉さんを呼んだ。

ところが!

「すみません、今急ぎのクライアント対応してるので、後にしていただけますか」

佐倉さん、ビシっと言い返しちゃったよ。
年下とはいえ、上司なのに!

すごーい、言ってみたい……。

という憧れは、真木さんの顔をチラ見した途端、吹き飛んだ。

口の中で小さく舌打ちした!
で、佐倉さんのこと、もんのすごく怖い視線で睨んでるよ!

怖い。凍る。無理。

「ではそれが終わり次第声をかけてください」

「はぁい」

佐倉さんはどこ吹く風。
ママ、強い……!



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