不器用ハートにドクターのメス
◇ ◇ ◇
一方、その頃。
「はああ……」
女湯に、同じく貸し切り状態で浸かっている真由美は、同じくため息をついていた。
体がしぼんでしまうのではないかというほどの、深い息だ。
湯の効能のところに筋疲労改善と掲げられているにもかかわらず、真由美の体はぎゅっと、小さく縮こまっている。
……失敗、してしまった。
眉間にまで力を入れながら、真由美は、先ほどの神崎とのやり取りを思い返していた。
一緒に入るか、なんて。本気で言っているわけじゃないことくらいわかっていた。
ただの冗談だったのだから、「もう、何言ってるんですか」と軽く返せばよかったのだ。
なのにあんな態度じゃ、意識しているのがバレバレだ。先生にも気を遣わせてしまった。
もう一度やり直したいと強く思うが、再度さっきの場面に戻ったとしても、うまく受け答えできる自信は全くない。
そういった冗談をうまくあしらう方法は、一生かかっても身につかなさそうだ。
……でも。
ちゃぷ、と顎先までを湯につけて、真由美は思う。
でも、わたしは、ちゃんと覚悟を決めてきたはずなんだ……と。
覚悟とはもちろん、この旅行で神崎との関係を、一歩進めようという覚悟だ。
予習や準備を怠らない真由美は、ちゃんと今日のために、勝負下着も新調してきたのである。
のぼせてしまう前に湯から上がり、バスタオルで体を拭くと、真由美はその新品の下着を初めて身につけた。
一方、その頃。
「はああ……」
女湯に、同じく貸し切り状態で浸かっている真由美は、同じくため息をついていた。
体がしぼんでしまうのではないかというほどの、深い息だ。
湯の効能のところに筋疲労改善と掲げられているにもかかわらず、真由美の体はぎゅっと、小さく縮こまっている。
……失敗、してしまった。
眉間にまで力を入れながら、真由美は、先ほどの神崎とのやり取りを思い返していた。
一緒に入るか、なんて。本気で言っているわけじゃないことくらいわかっていた。
ただの冗談だったのだから、「もう、何言ってるんですか」と軽く返せばよかったのだ。
なのにあんな態度じゃ、意識しているのがバレバレだ。先生にも気を遣わせてしまった。
もう一度やり直したいと強く思うが、再度さっきの場面に戻ったとしても、うまく受け答えできる自信は全くない。
そういった冗談をうまくあしらう方法は、一生かかっても身につかなさそうだ。
……でも。
ちゃぷ、と顎先までを湯につけて、真由美は思う。
でも、わたしは、ちゃんと覚悟を決めてきたはずなんだ……と。
覚悟とはもちろん、この旅行で神崎との関係を、一歩進めようという覚悟だ。
予習や準備を怠らない真由美は、ちゃんと今日のために、勝負下着も新調してきたのである。
のぼせてしまう前に湯から上がり、バスタオルで体を拭くと、真由美はその新品の下着を初めて身につけた。