不器用ハートにドクターのメス
き、消えてしまいたい……!
真由美が多大なる羞恥にさいなまれているところに、さらなるトドメがくわわった。
なんと、浴衣をひっかけたせいで胸元がはだけ、装着していた新品の下着が、ばっちりお目見えしてしまっていたのだ。
一瞬、二人の間に流れる時が止まった。
「ひ……っ、ひぃゃああっ!」
時の流れを取り戻したのは、真由美が喉から上げた、変な悲鳴だった。
真由美はばっと神崎から距離をとり、両手で胸元を閉じると立ち上がり、勢いよく、竹格子の向こうの寝室へと逃げ込んだ。
一枚の駆け布団を手早くはぎとると、その内側にくるまって、身を隠す。
隠れたところで状況は変わらないのだが、このときの真由美には、こんな対応をとることしかできなかった。
最悪だ最悪だ、最悪だ。
泣きそうになりながら、真由美は自分の間抜けさを責めた。
何度も頭の中で、シュミレーションしたのに。ばかだ。だめだ。
こんなカッコ悪いの、先生にあきれられてしまう。
涙をこぼしかけたとき、後ろからふわっと、包まれる気配がした。
背中にかかる、重み。神崎が布団ごと、真由美を後ろ抱きにしているということを、数秒遅れで理解した。
「……福原」
「……っ、」
布団越しに、神崎の声が聞こえる。
低くて、男らしくて、優しくて。どこか甘くて、いろんなものを含みすぎている声だ。
「……もしかして、色々不安にさせてたか」