不器用ハートにドクターのメス
「き、効かなくていいです……っ、」
「無理してほしいわけじゃない」
「む、無理じゃない……っ、」
神崎の浴衣の袖をつかみ、懇願するように、真由美は熱い言葉を吐く。
「無理じゃないから、無理なんてしてないから、だから……わたしを、先生のものにしてくださ――」
言葉尻は、乱暴なキスによって奪われた。
強く重ねられ、後ろ頭を支えられる。
やがてゆっくりとくちびるが離れ、視界の焦点が定まったとき……余裕のない神崎の顔が、そこにはあった。
「怖かったら、ちゃんと言え」
「せん……っ」
触れるだけのキスが、再び真由美の言葉を奪った。
先ほどより、ずっと優しいキスだった。何度も、何度も重なり、くちびるはいたるところに移動する。
ひたいに、目じりに、そしてまた、くちびるに。労わるようなキスが、降り注いでいく。
軽やかな愛撫を重ねて受けるうちに、それだけで息が上がってしまい、真由美は脱力して、神崎の腕にしがみついた。
「……真由美」
初めて呼ばれた下の名は、ひどく甘美な響きを持っていた。
「あ……っ、」
神崎の強い眼光は真由美のくちびるへと移り、次に二人が交わしたのは、大人のキスだった。
神崎の舌先が、真由美のくちびるを器用に割り開き、侵入を果たす。
「ん……ぅ……」
舌を深く差し入れられ、真由美は無意識に、湿り気を含んだ吐息を漏らしてしまう。
恥ずかしいのに、その羞恥が熱に溶けて、わけがわからなくなる。