不器用ハートにドクターのメス

舌をからめられ、優しく吸われ、歯列をなぞられ。ものすごいスピードで、息は温度を上げていく。

口内をどろどろに溶かされている最中、神崎の器用な指先が、真由美の浴衣にかかる。

先生は服を脱がすのも上手なんだなぁと、とろけた頭で、真由美は思う。


「……はっ、」


あらわになった肌にも、くちびるが降り始める。

喉元に、脈を計るように首筋に、そして鎖骨に。繰り返される優しい甘噛みに、背中に、抜けるような感覚が走る。

内腿がわななく。脳天が、昇華してしまったようだ。

初めての感覚に自然と身をこわばらせると、神崎はそえていたくちびるをゆっくりと離し、真由美の頭を撫でた。


「……怖いか?」


優しい眼差しで真由美を見つめ、ひたい同士をくっつけて尋ねる。


「こわく……ない……っ、」


甘く幼い声をこぼして、真由美は涙目で首を振る。

本当だった。怖くなかった。

深すぎるキスも、誰にも暴かれたことのない肌をさらけだすことも、触れられ、快感を与えられることも。

そして……自分の中に愛おしい人を、受け入れることも。


「あ……っ、」


全身が過敏になり、触れられるたびに、侵入されるたびに、声が飛び出る。

自分が違う生き物になってしまうかのようで、どこかに飛んで行ってしまいそうで、それでも、真由美は怖くなかった。

神崎だから。

そうしているのが神崎だから……怖くなかった。

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