不器用ハートにドクターのメス
真由美は、そこだけ気圧が異様に高いのかと問いたくなるほど、硬く小さく、縮こまっている。
顔も体も、だ。見ていてかわいそうになってくるほどに。
どうやったら力を抜いてやることができるのだろう、どうしたらリラックスしている様を目にすることが出来るのだろうと、神崎は思う。
「なあ、福原」
思って、口を開く。
何か会話でもあった方が、この場が和むかと、そんな単純な考えからだった。
「……いっつも、あんなひどいのか」
質問を落とすと、真由美の肩先が、ほんの少しだけ跳ねた。
神崎の質問はこれまた言葉足らずだが、生理痛が、という意味だ。
痛い話をぶり返すのもどうかと思ったが、それくらいしか、会話の糸口が思いつかなかった。
明確に表示されずとも、真由美はきちんと、質問の主語を汲み取ったようだった。
ふるりと首を横に振り、わずかにくちびるを開いて答える。
「いえ、あそこまでは……最近は、薬でおさえられる程度なんです、けど……」
「……そうか」
今日は大丈夫か。そう続けて尋ねようとして、女にこういうことを聞くのはセクハラだったかと、神崎は思いとどまる。
けれど、聞かずとも、真由美の顔色から、体調が良くなっていることはうかがえた。
昨日は死人のように青白かったが、今現在はずいぶん、人間らしい肌の色をしている。
そのことを横目で観察し、少し安心しながら、神崎は改めて気づく。真由美がかなり、色白の部類の女であるということに。