いつか孵る場所
「すみません…」
ハルは奥にある客間にタオルケットを敷いて貰って横になった。
「いえいえ。
こんな馬鹿な宴に付き合う必要はないわ」
琥珀はハルの傍に座った。
「至さんから昨日の夜に電話を貰ったの。
透が自分で決めた人だもの。
反対したり、罵ったりする方がおかしいのよね」
上品な笑みを見せた琥珀はそこから見える庭を見つめていた。
「父親連中も変だけど、その子供連中もかなりおかしいからね。
気をつけて」
透も至も含めてなんだろうな。
まあ、どこか浮世離れしているのは間違いない。
「至さんと透の兄弟が一番マシかも。
少し前に慶叔父さんの娘、希恵と恵実のどちらかと透を結婚させようと親戚中、必死になっていたけどね。
透は全く取り合わなかったけど」
とにかくヤヤコシイ一族なのはわかる。
本人の意志関係なしに何でも決める傾向がある。
「特に希恵は透が好きだったみたい。
透は高校卒業後はこの家に来なかったから今日はかなりの衝撃なはず。
変な事を言ってきても無視するのが一番かな」
「ああ、ハルちゃん、大丈夫?」
桃子が心配そうにやって来た。
「桃ちゃん、ごめん」
「何言ってるの!今、一番しんどいのはハルちゃんなのよ!」
桃子はハルの頬を両手で撫でた。
「私と一緒に帰ろうか?
至さんが2人で先に帰っていていいよって」
「そんな、いいよ。透を待つから」
- 透 -
その名前を口にした瞬間、急にハルの目から涙がこぼれた。
急に胸がキュンとして、たまらなくなった。
「ハルちゃん、どうしたの?大丈夫?」
「透、どうして皆の前であんなこと言っちゃったのだろ」
「?」
「自分だけが悪いって言ってた…。
私を悪く言わないでほしいって…でも、それを受け入れたのは私だから」
ハルは両手で顔を覆った。
涙を止めようとしても止まらない。
「どうしよう、桃ちゃん。再会した時よりもどんどん好きになってるかも」
「うんうん」
桃子は優しく微笑んでハルの髪の毛を撫でた。
「ハル、大丈夫…ってハル!?」
透が様子を見に来たがハルの号泣っぷりに慌ててハルを抱きしめる。
「誰か何か言ったの?」
琥珀と桃子を見つめる。
ハルが体を起こして透にしがみつく。
「…本当にズルいよ」
透の耳元で囁く。
「えっ、何が?」
驚いた表情の透に琥珀は苦笑いをしながら
「透、あなたが存在するだけでここに泣いてくれる人がいるのよ。
いつの間にかそんな風に人間的に成長していたのね。しばらく会っていなかったからちょっと安心したわ。
多分、ハルさんはさっき、気付いちゃったのよ。
どんどん、自分が透に恋しちゃってるのをね。
透がハルさんを必死に繋ぎ止めようとしていたのと同じくらいに」
透は耳まで真っ赤になった。
ハルは奥にある客間にタオルケットを敷いて貰って横になった。
「いえいえ。
こんな馬鹿な宴に付き合う必要はないわ」
琥珀はハルの傍に座った。
「至さんから昨日の夜に電話を貰ったの。
透が自分で決めた人だもの。
反対したり、罵ったりする方がおかしいのよね」
上品な笑みを見せた琥珀はそこから見える庭を見つめていた。
「父親連中も変だけど、その子供連中もかなりおかしいからね。
気をつけて」
透も至も含めてなんだろうな。
まあ、どこか浮世離れしているのは間違いない。
「至さんと透の兄弟が一番マシかも。
少し前に慶叔父さんの娘、希恵と恵実のどちらかと透を結婚させようと親戚中、必死になっていたけどね。
透は全く取り合わなかったけど」
とにかくヤヤコシイ一族なのはわかる。
本人の意志関係なしに何でも決める傾向がある。
「特に希恵は透が好きだったみたい。
透は高校卒業後はこの家に来なかったから今日はかなりの衝撃なはず。
変な事を言ってきても無視するのが一番かな」
「ああ、ハルちゃん、大丈夫?」
桃子が心配そうにやって来た。
「桃ちゃん、ごめん」
「何言ってるの!今、一番しんどいのはハルちゃんなのよ!」
桃子はハルの頬を両手で撫でた。
「私と一緒に帰ろうか?
至さんが2人で先に帰っていていいよって」
「そんな、いいよ。透を待つから」
- 透 -
その名前を口にした瞬間、急にハルの目から涙がこぼれた。
急に胸がキュンとして、たまらなくなった。
「ハルちゃん、どうしたの?大丈夫?」
「透、どうして皆の前であんなこと言っちゃったのだろ」
「?」
「自分だけが悪いって言ってた…。
私を悪く言わないでほしいって…でも、それを受け入れたのは私だから」
ハルは両手で顔を覆った。
涙を止めようとしても止まらない。
「どうしよう、桃ちゃん。再会した時よりもどんどん好きになってるかも」
「うんうん」
桃子は優しく微笑んでハルの髪の毛を撫でた。
「ハル、大丈夫…ってハル!?」
透が様子を見に来たがハルの号泣っぷりに慌ててハルを抱きしめる。
「誰か何か言ったの?」
琥珀と桃子を見つめる。
ハルが体を起こして透にしがみつく。
「…本当にズルいよ」
透の耳元で囁く。
「えっ、何が?」
驚いた表情の透に琥珀は苦笑いをしながら
「透、あなたが存在するだけでここに泣いてくれる人がいるのよ。
いつの間にかそんな風に人間的に成長していたのね。しばらく会っていなかったからちょっと安心したわ。
多分、ハルさんはさっき、気付いちゃったのよ。
どんどん、自分が透に恋しちゃってるのをね。
透がハルさんを必死に繋ぎ止めようとしていたのと同じくらいに」
透は耳まで真っ赤になった。