いつか孵る場所
昼から始まった宴も日が暮れてようやく終わりを迎えた。

透と至と更に純の判断で結局、ハルは絶対安静のように奥の部屋で寝たままになっていた。
宴の途中、様子を見に来た3人は

「本来ならまだ入院しているよね」

至が父、純を睨みながら言うと

「まあ、主治医は透がそばにいるならって言ってたし」

と逃げた。

「僕、金曜日有給取るために明日から連続当直なんで家にいないんですけど」

透も純を睨んだ。

「お前は勤務代わってもらったからそうなったんだろ」

純はとにかく逃げる。

「あの、私なら何とかやります。
家で出来るだけ横になりますし、水分も出来るだけ取るようにしますから」

3人の口喧嘩が酷くならないうちにハルが口を挟む。

ピタッ、と3人が止めたので桃子はクスクス笑った。

「この中で一番強いのはハルちゃんかもしれない」

桃子はお腹を抱えて笑う。

「それに…3人でそうやって話する事なんてまずなかったんじゃないですか?お義父さん」

桃子はニヤニヤしている。

「良かったですね。ハルちゃんのおかげですね。
…だから無下に扱ったらどうなるかわかりますよね?」

さっきまで笑っていた桃子が鬼の形相になった。



− この中で一番強いのはあなたです −

桃子以外は皆、心の中で呟いていた。
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