いつか孵る場所
その瞬間、ハルの体はキツく、抱きしめられた。

「ハル、何してるの?」

また、透の言葉攻めが始まる。

「…ちょっと、イチャついてみただけ」

ハルは透の胸に手を置く。
透はその手を退けてハルとの距離を縮める。



「じゃあ、本気でイチャつく?」

透はそっとハルの唇にキスをする。



その瞬間。



「うえっ…うえっ…」

隣で愚図る声が聞こえた。
凛が目を開けてこちらを見ている。

「透、一時中止よ」

ハルはそう言って起き上がると凛を抱っこする。

「え~…、嫌~」

「え~!じゃない!!」

「嘘です、僕も手伝います」

二人は愚図る凛をあやす。



心地の良い風が部屋を駆け巡り、3人の間も巡る。



「あとで桜、3人で見に行こうか」

「うん!」

透とハルは見つめ合い、微笑む。



再会してから1年。
1年前はこんな風に過ごしているなんて思わなかった。
きっと次の1年、その次もまた、季節が巡るたびに二人は見つめ合い、微笑むだろう。



その時の話は、また別の物語。
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