いつか孵る場所
12月24日。
透とハルとナツはハルの家でクリスマスパーティーをした。
ハルの母親は彼氏とデートのようで朝からいなかった。
「お兄ちゃん!」
相手をするとナツの嬉しそうな顔が堪らなく愛しい。
本当の妹みたいに可愛かった。
「お兄ちゃん、お勉強は?」
「うん、大丈夫だよ」
自分でも驚くくらい、頭の中に色々な知識を取り入れるようになってきた。
このまま何事もなければ…きっと上手くいく。
そう実感していた。
「寝ちゃったね」
ナツははしゃぎ過ぎたようで早々に毛布に潜り込んで眠っていた。
「うん…」
ハルは暗い表情を見せた。
「どうしたの?」
透はハルの頬を撫でた。
「透、あのね」
ハルは透が頬に当てた手を握りしめる。
「もし、私が透の進路を塞ぐことがあれば…いつでも別れて」
「…何言ってるの」
透はハルを引き寄せた。
「…透にはたくさんの可能性があると思う。何でも出来るし。きっと素晴らしいお医者様になると思う」
だから…
「私なんてとても不釣り合いだって思う事が何度もあったわ…付き合ってから」
だから、何?
「私、透の足手まといにはなりたくない」
「…ハルが僕の足手まといになった事なんて一度もないよ?」
逆に何度、希望の光を貰った事か。
「…まさか、僕の母親に何か言われた?」
ハルは俯いて透の胸に顔を埋めた。
「…透。私はずっと、これから先ずっと透の事を応援してるよ。だから今は目の前にある事に集中して」
ハルの肩が震えていた。
− あのババア… −
本当に殴ってやりたい、と思った。
拳に力が入ると、ハルは顔を上げてその拳を握りしめる。
「お願い、これ以上、私を苦しめないで」
ハルの目から涙が溢れた。
− 自分がハルを苦しめている…? −
そう思った瞬間、何かが弾けた気がした。
「…ごめん、ハル」
本当に泣きそうだった。
何とか声を絞り出す。
「苦しめてごめん」
ハルの体をギュッ、と抱き締める。
「でも、これだけは…。僕はハルが大好きだよ。でもハルが板挟みで苦しむなら、僕は身を引く」
そう、ハルが苦しいのなら。
自分がいなくなれば良い。
「でも、それでも僕はずっとハルが好きだと思う」
腕に力を込めた。
「ハル、僕達、しばらく離れよう。離れている間、もしいい人が出来たら遠慮なくその人の元へ行って」
透の瞳から一筋の涙が流れた。
「でも、遠い未来で再び出会って、お互い誰もいなければ…もう一度僕にチャンスを頂戴」
「…うん」
ハルはポロポロと止まらない涙を流していた。
透はハルの涙を親指と人差し指で拭くとそっと唇にキスをした。
透とハルとナツはハルの家でクリスマスパーティーをした。
ハルの母親は彼氏とデートのようで朝からいなかった。
「お兄ちゃん!」
相手をするとナツの嬉しそうな顔が堪らなく愛しい。
本当の妹みたいに可愛かった。
「お兄ちゃん、お勉強は?」
「うん、大丈夫だよ」
自分でも驚くくらい、頭の中に色々な知識を取り入れるようになってきた。
このまま何事もなければ…きっと上手くいく。
そう実感していた。
「寝ちゃったね」
ナツははしゃぎ過ぎたようで早々に毛布に潜り込んで眠っていた。
「うん…」
ハルは暗い表情を見せた。
「どうしたの?」
透はハルの頬を撫でた。
「透、あのね」
ハルは透が頬に当てた手を握りしめる。
「もし、私が透の進路を塞ぐことがあれば…いつでも別れて」
「…何言ってるの」
透はハルを引き寄せた。
「…透にはたくさんの可能性があると思う。何でも出来るし。きっと素晴らしいお医者様になると思う」
だから…
「私なんてとても不釣り合いだって思う事が何度もあったわ…付き合ってから」
だから、何?
「私、透の足手まといにはなりたくない」
「…ハルが僕の足手まといになった事なんて一度もないよ?」
逆に何度、希望の光を貰った事か。
「…まさか、僕の母親に何か言われた?」
ハルは俯いて透の胸に顔を埋めた。
「…透。私はずっと、これから先ずっと透の事を応援してるよ。だから今は目の前にある事に集中して」
ハルの肩が震えていた。
− あのババア… −
本当に殴ってやりたい、と思った。
拳に力が入ると、ハルは顔を上げてその拳を握りしめる。
「お願い、これ以上、私を苦しめないで」
ハルの目から涙が溢れた。
− 自分がハルを苦しめている…? −
そう思った瞬間、何かが弾けた気がした。
「…ごめん、ハル」
本当に泣きそうだった。
何とか声を絞り出す。
「苦しめてごめん」
ハルの体をギュッ、と抱き締める。
「でも、これだけは…。僕はハルが大好きだよ。でもハルが板挟みで苦しむなら、僕は身を引く」
そう、ハルが苦しいのなら。
自分がいなくなれば良い。
「でも、それでも僕はずっとハルが好きだと思う」
腕に力を込めた。
「ハル、僕達、しばらく離れよう。離れている間、もしいい人が出来たら遠慮なくその人の元へ行って」
透の瞳から一筋の涙が流れた。
「でも、遠い未来で再び出会って、お互い誰もいなければ…もう一度僕にチャンスを頂戴」
「…うん」
ハルはポロポロと止まらない涙を流していた。
透はハルの涙を親指と人差し指で拭くとそっと唇にキスをした。