さくらの花が舞う頃に
振り向くと、そこには腰に手を当てた結衣の姿があった。
「なんですか、水川先生!?」
言い合いをしていた女子生徒ふたりがすごい形相で結衣を見る。
うわ……… 邪魔すんなってまじで顔で訴えてんな。
たけど、そんなすごい目で見られても結衣はひるむことなく、涼しげな顔で二人に言い放った。
「悪いんだけど。
スキー合宿の打ち合わせで吉澤先生に話したいことあるから、隣は私に譲ってくれない?」
打ち合わせ?
そんなんあったっけ………
結衣の言っていることがわからなくて、冷静に考えようとすると………
「はぁぁぁぁ!?」
女子二人の息のあったでかい声に、考え事は途中で遮られた。