さくらの花が舞う頃に




「え、ちょっと待ってください! うちら、じゃんけんまでして決めようとしてたんですけど!」 



副担とはいえ、相手は教師なのに思いっきり食ってかかる女子生徒。



「こわ………」



あまりの形相に、俺の隣にいた宮下が思わずそうつぶやく。



「じゃんけんして決めようとしていた?そんなの知らないわよ。

こっちはずっと前から打ち合わせする予定があったんです〜」



結衣が大人げなく二人を睨み返して、そう言った。



「なっ………!」



女子生徒が何か言い返そうと、口を開ける。 しかし………




「もう出発します。誰でもいいので早く座席に座ってください」



女子生徒を遮って、運転手さんが声を上げた。




< 397 / 463 >

この作品をシェア

pagetop