さくらの花が舞う頃に

「………あっそ。用ないなら帰れば？」



これ以上一緒にいるとまじでブチ切れそうだった俺は、平静を保ってそう言った。　しかし。




「…………帰んない」




「………は？」



やば。思わず本気で苛ついた声を出してしまった。



つーか、用ないのになんで帰んねぇんだよ。



明らかに不機嫌そうな顔になったのが自分でもわかった。



戸山も俺が不機嫌になったのがわかったのか、さらに俺を睨みつける。




「あのさ、先生いつまでかっこつけてんの？

かっこつけてる暇あったら、自分が大橋さんにやったこと思い返してもっと反省しろよ。

恋を知らなかった純粋な大橋さんに遊びで声かけて気を持たせて、

大橋さんが必死の思いで告ったら『飽きた』『興味ない』で切り捨てるなんてさ。

自分のこと最低だって思わないわけ？」




戸山が俺を睨みつけながら一気にそう言う。




だけど。