大人の恋は波乱だらけ!?
それから軽く立ち話をした私たち。
家まで送ってくれるという高梨部長の好意に甘える事にした。

彼が運転する車の助手席で緊張気味に俯く。
買い物をしていたのか後ろにはスーパーの袋が置いてある。
自炊をするのだろうかと考えながら黙っていれば、ふいに高梨部長の手が頭に触れた。


「高梨部長……?」

「……悪い、無性にお前に触れたくなった」


高梨部長の目は熱く蕩けるようなモノだった。
恥ずかしかったがそれに応える様に私も見つめる。
信号待ちだという事もあり、私たちはお互い引き寄せられる様に唇を重ねた。


「……」

「……」


クスリと笑みを零し、幸せな時間を堪能する。


「えっと……どこら辺か説明できるか?」

「あ、あれです!あの大きなマンション!」

「は!?」


私が答えれば驚いた様に返される。
どうしたのだろうか、首を傾げながら彼を見れば信じられないという様に口を開いた。


「俺もあのマンションだ」

「……え!?」


予想外の事に私たちは言葉を失ってしまう。


「と……取敢えずマンションの駐車場に入るな」

「は……はい……」


お互いに混乱してしまいこの会話だけがやっとだった。
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