大人の恋は波乱だらけ！？
「少しは落ち着いた？」

「……はい。
ご迷惑をお掛けして、すみませ……」


謝ろうとしたら、コツンと頭をこずかれる。
驚きながら高梨部長を見上げれば、優しい笑みが返された。


「言っただろう？
迷惑なんて思わないし、俺はお前には甘えられたいんだよ。
だから寧ろ……嬉しいけどな」


高梨部長は照れた様に笑うと、プイッと顔を逸らしてしまう。
耳まで紅くなっている高梨部長を見ると胸が温かくなり自然に笑みが零れる。


「ありがとうございます」

「……ああ」


照れ隠しのつもりなのか、ぶっきらぼうに言い放つ高梨部長。
そんな彼が可愛くて何よりも愛おしかった。
『フフッ』と笑えば高梨部長は嬉しそうに私を見てきた。


「やっぱり桜木には笑顔が似合うな！」

「そ……そうですか？」

「ああ！俺、桜木の笑顔、凄く好きだよ」


ストレートな言葉に胸が高鳴ったのが分かった。
返す言葉が見つからず少し俯けば頭に重みが加わった。


「お前の悩みも、不安も全部受け止めるから……。
俺の前では無理しないでくれ」

「高梨部長……」


彼はそれ以上何も言わずに、ただ私の頭を撫で続けていた。
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