大人の恋は波乱だらけ!?
「あ……あの高梨部長……?」
彼に着いてオフィスを出たはいいが、着いたのは会議が行われる会議室ではなく今は使われていない旧資料室だった。
会議までまだ時間はあるが、ココで仲良くお喋りという雰囲気ではない。
明らかに怒っているのが分かる。
「……」
高梨部長は黙ったまま振り向き私を見据える。
その瞳が何を語っているかは分からない。
ただ、ヒシヒシと痛いくらいの怒りが伝わってきた。
「あの……すみませんでした」
「……それは、何に対しての謝罪だ?」
「す、直ぐに田中先輩のお誘いを断らなかった事に、です」
いつもより遥かに低い声が響き渡る。
思わず視線を逸らそうとするが、それすら許されなかった。
「ちゃんと俺の顔を見ろ」
俯きかけた顔を元の位置に戻し、再び高梨部長と見つめ合う形になる。
「確かに、お前が直ぐに誘いを断らなかった事も怒っているが、1番はそこじゃない」
「え……?」
高梨部長の意外な言葉に首を傾げてしまう。
猛スピードで思考を巡らせても何も浮かばない。
思い当たる節が全くないのだ。
そんな私に見切りをつける様に高梨部長はゆっくりと口を開いた。
「なぜお前は、アイツに彼氏がいると言わなかった?
何でアイツの誘いに顔を赤めたんだ!!」
「あっ……」
漸く高梨部長の怒りの理由が分かり、少しホッとする。
「桜木……お前は本当に俺が好きか……?」
「え……」
「俺が告白した時、俺に同情して好きだと言ったんじゃないのか?」
想定外の彼の言葉に私は目の前が真っ暗になった。
同情で好きと言った?
そんな訳ない、そんな事ある訳ない。
哀しみと怒りが私を包み込んでいく。
彼に着いてオフィスを出たはいいが、着いたのは会議が行われる会議室ではなく今は使われていない旧資料室だった。
会議までまだ時間はあるが、ココで仲良くお喋りという雰囲気ではない。
明らかに怒っているのが分かる。
「……」
高梨部長は黙ったまま振り向き私を見据える。
その瞳が何を語っているかは分からない。
ただ、ヒシヒシと痛いくらいの怒りが伝わってきた。
「あの……すみませんでした」
「……それは、何に対しての謝罪だ?」
「す、直ぐに田中先輩のお誘いを断らなかった事に、です」
いつもより遥かに低い声が響き渡る。
思わず視線を逸らそうとするが、それすら許されなかった。
「ちゃんと俺の顔を見ろ」
俯きかけた顔を元の位置に戻し、再び高梨部長と見つめ合う形になる。
「確かに、お前が直ぐに誘いを断らなかった事も怒っているが、1番はそこじゃない」
「え……?」
高梨部長の意外な言葉に首を傾げてしまう。
猛スピードで思考を巡らせても何も浮かばない。
思い当たる節が全くないのだ。
そんな私に見切りをつける様に高梨部長はゆっくりと口を開いた。
「なぜお前は、アイツに彼氏がいると言わなかった?
何でアイツの誘いに顔を赤めたんだ!!」
「あっ……」
漸く高梨部長の怒りの理由が分かり、少しホッとする。
「桜木……お前は本当に俺が好きか……?」
「え……」
「俺が告白した時、俺に同情して好きだと言ったんじゃないのか?」
想定外の彼の言葉に私は目の前が真っ暗になった。
同情で好きと言った?
そんな訳ない、そんな事ある訳ない。
哀しみと怒りが私を包み込んでいく。